SIMカードとモバイルルーターを自宅の固定回線として利用するメリット
現在、自宅のネット回線はフレッツ光やADSLなどの固定回線を契約して使っているという人は多いと思います。
固定回線は高速な通信ができますが、毎月の通信費をもっと下げたい、あるいは実際の使用率と毎月の通信費が割に合わないなと感じることはないでしょうか?
また、引っ越しが多い人にとっては固定回線の契約・解約や設置工事が手間だと感じるかもしれませんね。
そのような人は、自宅の光回線やADSLなどのネット回線をSIMカードとモバイルルーターに置き換えると良いです。具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 通信費が大きく節約できる
- 開通工事が不要で即日使える
- 引っ越しの時に解約する必要がない
- 外出先でもネットが使える
通信費の節約~月額どれくらいでネット回線が使えるか?
フレッツ光などの光回線を契約している場合と、SIMカードとモバイルルーターを使った場合の月額料金の比較してみましょう。
回線種類 | 月額料金 |
---|---|
光回線 | 3,800円~5,200円 |
SIM(3GB) + モバイルルーター | 900円 |
SIM(6GB) + モバイルルーター | 1,580円 |
SIM(10GB) + モバイルルーター | 2,520円 |
SIM(20GB) + モバイルルーター | 3,980円 |
SIMカードの月額料金はデータ通信専用SIMを契約した場合。 SIMカードの月額料金はmineoのものを参考。 |
光回線を契約した場合、マンションタイプであれば平均の月額は3,800円、一戸建て住宅であれば5,200円程度になります。
一方で、データ通信専用のSIMカードを契約し、モバイルルーターを利用すると1カ月あたり900円~3,980円程度でインターネットができてしまいます。もちろん、通信できるデータ容量の上限があるのですが、自宅でインターネットをする容量がそれほど多くない場合は、月額使用料金を大きく節約することができるようになります。なお、この表のSIMカードの月額料金はmineoという大手の格安SIM・スマホの通信業者のものを参考にしています。
開通工事が不要で即日使える
光回線を契約する場合、開通工事を行う必要があり、使えるようになるまでにはしばらく時間がかかります。早い場合は1週間程度で使えるようになりますが、遅い場合は3か月以上かかる場合もあります。
インターネットをすぐに使いたいのに、長い時間待たされるとストレスを感じてしまいますよね。
また、この開通工事には費用が発生します。2,000円~24,000円となっていて、光ファイバーが導入済みのマンションなどでは安く済むのですが、戸建て住宅や光ファイバーが導入されていないマンションの場合には高額な工事費となってしまいます。
一方で、SIMカードとモバイルルーターを使用すれば、開通工事は不要になります。SIMカードとモバイルルーターを購入してしまえば、即日使うことができます。1週間も待つ必要はありません。
しかも、工事費用も発生しませんので非常に安くインターネットを使い始めることができます。
なるべく安くネットを利用したい人や引っ越しが多い人などにとっては、とても手軽で便利ですね。
引っ越しの時に解約する必要がない
固定回線を契約していると、大学を卒業するときや仕事で転勤になったときなど、引っ越しのタイミングで解約をする必要が生じます。
解約の申し込みをすればよいだけと思うかもしれませんが、解約金が発生する場合がありますので注意が必要です。
契約プランによって変わりますが、光回線の場合は2年ごとの契約更新月、または最初の2年が経過した後は3年後の契約更新月、というように解約できるタイミングが決まっていて、それ以外のタイミングで解約すると違約金を支払わないといけなくなります。
この解約金はプランによって変わっていて、だいたい1,500円~20,000円程度となっています。解約のタイミングがあり、しかも場合によってはお金を払わなければならないのはストレスですよね。
固定回線の場合は、最初に解約時のことを考えてよくプランを検討し、そして契約する月を慎重に選ばないといけません。
一方で、SIMカードとモバイルルータの場合は、引っ越しをする場合でも解約する必要はありません。SIMカードとモバイルルーターを持って引っ越し先に移ることができます。解約手続きも違約金も発生しません。とても手軽です。
なお、SIMカード自体を解約する必要が出てきた場合、データ通信専用SIMカードを契約していれば、好きなタイミングで解約することができます。違約金は発生しません。また、モバイルルーターは個人で購入する(契約ではない)ものなので、そもそも解約する必要がありません。この辺りも、SIMカードとモバイルルータの手軽さがわかるところだと思います。
外出先でもネットが使える
SIMカードを挿したモバイルルーターを持って外に出れば、外出先でもネットに接続することができます。
スマホのデータ通信容量を超えそうなときなど、モバイルルーターに接続するようにすればデータ容量不足を回避することができます。
また、外出先でノートパソコンを使って作業をしたい場合には、モバイルルーターがあるととても便利です。セキュリティを気にすることなくネットに接続できますし、安心して通信ができるようになります。
デメリットは何?
ここまで解説してきたように、SIMカードとモバイルルーターを利用したネット接続はとてもメリットが多そうですが、もちろんデメリットもあります。たとえば以下のようなものがあります。
- 時間帯によって回線速度が変わる
- たくさん使った時に通信速度制限に引っ掛かる
時間帯によって回線速度が変わる
SIMカードを契約して使う場合、時間帯によって回線速度が変わってきます。たとえば、午前7~9時の通勤・通学の時間帯、お昼ごはん時の12時から13時などは、多くの人がネットを使い始めるので回線速度がぐっと遅くなって、なかなか見たいページが表示されない、ダウンロードが完了しない、というようなことが起こります。
固定回線の場合には通信帯域も広いので、少々回線が込み合っても極端な速度低下はあまり起こりません。
インターネットにアクセスする時間帯によっては、なかなかつながらずにストレスを感じることがあるかもしれません。
たくさん使った時に通信速度制限に引っ掛かる
光回線を契約している場合は、どれだけ使っても月額料金が一定ですし通信制限にかかることもありません。
しかし、SIMカードを契約して利用する場合は、1カ月の通信容量が決まっていて、それ以上使ってしまうと通信速度が大きく制限されてしまい、200kbps程度まで低下してしまいます。
200kbpsに速度が低下してしまうと、サイトの閲覧に支障が生じるようになります。テキストだけでできたサイトを見たりメールの送受信程度であれば問題ないのですが、画像の多いサイトを開いたり、動画を見たりするという場合はストレスを感じます。
あらかじめどれくらい使うかを把握してから契約するのがおすすめです。
特に、パソコンからインターネットに接続する場合には注意が必要です。パソコンの場合、ホームページを閲覧するときの容量はスマホで見るときよりも大きくなる傾向にあります。
また、Windowsの場合には、定期的にOSのアップデートがあります。この容量が毎月変わってきますし、大きなアップデートの場合には容量が大きくなります。このため、事前にパソコン側で設定をしておかないと、契約プランによっては容量制限にひっかかってしまうこともあります。
パソコンで容量制限に引っ掛かってしまわないための設定方法を以下のページにまとめていますので、参考にしてみてください。
もし、通信容量の制限に引っ掛かるのが心配だなと思われるのであれば、光回線を自宅に導入する、または、WiMAXという電波を使ったネット接続サービスを使うのもおすすめです。WiMAXであれば、SIMカード+モバイルルーターと同じような手軽さで、容量無制限でインターネット通信を行うことができます。
詳細はこちら → WiMAXを自宅の固定回線として利用するメリット
どんな人におすすめ?
では、SIMカードとモバイルルーターを自宅の固定回線として利用するのは、どんな人におすすめでしょうか?具体的には以下のような人におすすめです。
- 一人暮らしの人(大学生、単身赴任のビジネスパーソン)
- 少人数家族
- 光回線を導入できない住宅に住んでいる人
- 自宅であまりネットを利用しない人
一人暮らしの大学生や単身赴任のビジネスパーソンなど、何年かのちに引っ越しをしなければならない人にとっては、SIMカードとモバイルルーターを自宅の固定回線として利用するのはとてもおすすめです。開通工事や解約の手続きが不要で、違約金の発生もないので気軽に利用できます。1カ月のデータ容量制限にひっかからないようにだけ気をつけましょう。
また、少人数家族でネットの利用が少ないという場合にも適しています。家族で同時にネット接続しても通信速度への影響は小さいです。通信費の節約につながるでしょう。
光回線が導入できない住宅に住んでいる人にとってもおすすめです。SIM+モバイルルーターの組み合わせであれば、パソコンからネットを利用できたりするなど、とても気軽にネットが利用できるようになります。
SIMカードを利用すると一カ月の通信容量の上限が決まってしまいます。1カ月あたり10~20GB程度までならSIMカードを利用した方が通信費は安くすみます。
そのため、自宅であまりネットを利用しない人などは、固定回線ではなく、SIM+モバイルルーターの組み合わせにすれば、通信費を大きく節約することができるようになります。
逆に言うと、インターネットをバリバリ使うような人にとっては向いていません。その場合は光回線を自宅に導入する方が安上がりですし、快適に使うことができます。または、WiMAXという電波を使ったネット接続サービスを使うのもおすすめです。WiMAXであれば、SIMカード+モバイルルーターと同じような手軽さで、容量無制限でインターネット通信を行うことができます。
詳細はこちら → WiMAXを自宅の固定回線として利用するメリット
自宅のネット回線としてSIMカード+モバイルルーターを使うための手順
SIMカードとモバイルルーターを使ってネットをするのはとても簡単で、以下の3つのステップになります。
(1)データ通信専用のSIMカードを契約する
(2)モバイルルーターを購入する
(3)SIMカードをモバイルルーターに挿入して設定する
(1)まず、SIMカードですが、SIMフリーのものでデータ通信専用のものを契約します。SIMカードには通話ができるものやSMS機能付きのものがありますが、インターネットだけであればデータ通信専用SIMにします。費用も抑えられてお得です。
データ通信専用SIMカードは多くの業者が提供していますが、特におすすめの業者のものを以下で紹介していますので参考にしてみてください。
データ通信専用のSIMカードはインターネットから簡単に申し込むことができます。手続きは10分もあれば完了し、2~3日で封筒や宅配便などで送られてきます。
(2)次にSIMカードを利用するためのモバイルルーターを購入します。
モバイルルーターを購入する際に気をつけることは、対応しているSIMカードの種類です。
SIMカードには標準SIM、micro SIMとnano SIMという3種類のものがあり、それぞれサイズが違います。通信業者によってはマルチSIMというものが使えるところがありますが、これは切り離すことでサイズを自由に選ぶことができるようになっています。
モバイルルーターがこれら3種類のうちのどのSIMカードに対応しているかを確認してください。nano SIMカードを契約したら、モバイルルーターもnano
SIMカードに対応したものを選びます。
モバイルルーターはAmazonなどで購入することができます。おすすめのものをこの下で紹介していますので、参考にしてください。
(3)SIMカードとモバイルルーターがそろったら、SIMカードをモバイルルーターに挿します。
モバイルルーターの電源をONにし、接続するための設定を行います。設定が完了すれば、あとはパソコンやスマホから、モバイルルーターにWi-Fiで接続設定を行えばネット接続ができるようになります。
おすすめのモバイルルーター
NEC Aterm MR05LN
電波の受信感度が良く、接続が途切れる心配があまりありません。使い方はとても簡単で、タッチパネルを指で操作できるのも便利です。国内メーカー製なので、安心して使えるのもメリットです。
nano SIM対応です。SIMカードを最大2枚挿すことができます。プライベートとビジネスで使い分ける必要がある人にとっても便利です。
NETGEAR AirCard AC785-100JPS
最大で15台の機器と同時に接続することができます。家族で複数の端末を接続する場合でも対応できます。世界93ケ国で使うことができるので、海外旅行や出張に持って行くのにも便利です。
micro SIM対応です。
Huawei E5383s-327
タッチスクリーンで直感的な操作が可能なモバイルルーターです。簡単に使うことができます。コンパクトな本体です。micro SIM対応です。